周平です!
今回は、
「自信のつく練習方法について」の質問をいただきました。

なるほどー!
「ボーカルになってしまった」
という表現から、
質問者さんの抱えるプレッシャーの重さを感じさせますね。
それでは、
そんなプレッシャーをぶっ壊し、自信がモリモリついてくる練習方法を伝えていきますね!
Contents
そもそもどうして苦手意識が消えないのか?

人が苦手意識を感じる原因は、基本的には体験したことのないことから来る恐怖にあります。
僕もやったことないことや、見たことないものに初めて触れる時は、なんでもかんでも意味もなくビビッてしまうものです。
これは人間が原始時代に狩りをしていた頃の名残りで、危険から命を守るために備わっている防衛本能だと言われています。
簡単に言うと、
「あっ、これは見たことないヤツだ!もしかすると俺を殺そうとしているかもしれない!よし、何かわからないけど、とりあえず逃げよう!」
ってな具合に脳みそが勝手に命令を出しちゃうんですね。
この脳の働きが自信のなさを感じさせる原因です。
では、
どうやって自動的に襲ってくる恐怖心を消せばいいのか?
それは、
まずは「やれば出来るんだ!」という成功体験が重要になってきます。
と言っても、
多くの人から絶賛されるだとか、仲間たちから1歩リードしてすごい存在になる必要はありません。
大切なのは、
自分自身が「自分にも出来るんだ」という感覚を少しでも掴むことです。
そういった手応えを体験することで、「おっ!どうやら大丈夫そうだぞ!?」と脳が自信の源セロトニンを出してくれるんです。
この小さな一歩が後に、
雪だるまのように大きくなっていって、あなたの才能をグングン引き伸ばしてくれますよ!
今回はそのためのスタートダッシュとして有効な練習方法を書いていきます!
苦手意識を克服して、自信を育てるためのコツ
僕がまず何か1曲歌うとなったら、
最初に必ず意識することがあります。
それは、
自分という「個性」を曲に載せた時、
どこが1番美味しくなるポイントか?
を探します。
課題曲の中で、
1番自分が「ドヤッ!」て歌えるようになりたい箇所を探して下さい。
「自分がボーカルならここはこう表現したい!」
という箇所をピンポイントで見つけるのです。
例えば、
「ジッタードール」という曲をカバーしたとき、僕が美味しいと感じたポイントを紹介します。
それは、1:01(サビ)にある「うあ”あ”!!」のところ。
僕はこの曲を初めて聴いて、
「ここにうあ”あ”!!をぶっこむ!」という目標を直感的に建てました。
ここを理想通りに表現するためだけに、曲のキーも下げました。
何が言いたいかといいますと……
まずは自分を美味しく見せれるポイントだけに集中して曲に取り組むのです。
いきなり、
1曲まるまる全部をちゃんと歌えなきゃダメだ!と考えなくてもOKです。
こうして重要なポイント分解して
自分が曲をどうすれば料理しやすいかを考えるのです。
ここをしっかり念頭に置いておけば、
他のパートも自然と着いてきてくれるようになります。
さて、それでは次に、
どうやってこの1番の見せ場を極めていくか?
その練習方法をお教えいたしましょう!
曲を自分のモノにしてしまう練習法「シャドーイング」とは

僕がオススメする練習方法は「シャドーイング」です。
シャドーイングとは、
英会話の学習でよく使われる練習法の1つです。
「いや…、
私は英語じゃなくて歌を上手くなりたいんですけど」
はい分かってます!
まぁ、待って下さい!
実は、
これが歌の練習にも応用出来るんです。
それでは説明していきます!
シャドーイングは「オウム返し」練習法です。
英会話の場合はこんな感じです。
先生「How are you?」
生徒「ハゥ ア ゆぅ?」
先生「I want to be」
生徒「アぃ ウォヌビ…」
先生「a good singer!」
生徒「ア グッ スィングァ!」
と、まぁ、
こんな具合にネイティブのお手本を延々真似して繰り返すわけです。
歌でもこれをやります。
もちろん1曲まるごとでやりません。
あなたが「ここだッ!」と感じた見せ場パート数秒間だけです。
そして、
これをお手本のボーカルを先生役にして練習します。
同じ箇所を何度もリピートしてシャドーイングするのには、PCの有料ソフトであるCubaseが最強に便利です。
動画サイトや音楽プレイヤーでいちいち「3秒戻って…もう1度練習…」とかやってられないですからね!?
この辺の作業は、
指定箇所だけを自動リピート出来る機能が備わっているツールを使っちゃえば楽です。
だけどいきなりパソコンの、
しかもDAWの王道Cubaseはハードルが高いと思うので、今回はiPhoneアプリの「AB Player」でのやり方を紹介します。
以下からダウンロード出来ます。
…ってこれ
「最新六法全書」ってアプリやん!?
「歌について研究しているつもりが、気がついたら弁護士になってしまった…」
となるわけですけど、
違うんです。
どうやら、
オトナの事情・会社的な都合でこの「六法」ってアプリに「AB Player」が同梱されているのです。
使い方はこんな感じです。

AB Playerを選択し、
範囲を選んだ後再生。
↓

Androidにはこのアプリが使えそうです。
これで、
好きなパートだけ限定してリピートしてくれるようになりました。
上記で紹介したアプリでなくても、同じように曲の1部をリピート出来るツールならとりあえずなんでもOKです。
タイミングを掴みやすくするために、歌い出しより少し手前から再生するようにしてください。
あとは自分が「何としても習得したい表現」を反復練習してください。
シャドーイング練習の具体的なやり方!

練習するペースは1日に10回シャドーイングします。
もちろん同じ曲の同じパート、「自分が何としても理想通りに表現したい箇所」です。
手順としては下記の感じ。
✓CHECK!
- タイミングを掴みやすくするために、歌い出しより少し手前から再生するように設定。
- 再生が終わったら、すぐに一時停止して聴いたまんまを再現して歌う。
- そしてまたリピート再生し、「…よし、こういう感じか!」と思えるくらい確認したら、また停止して歌う。
これを3日間繰り返します。ちなみに歌ってる時は無音です。
自分の声や音程にも気をつけるため、曲をかけないほうがいいです。
確認するときだけ再生して耳を澄ませるのが基本です。
このとき、
色々と浮気して違う曲に挑戦するのはやめてください。
脳は複数同時のインプットを与えると「マルチタスク状態」に陥って、一時的にIQを低下させます。
脳は1度に複数の課題に取り組むと、その1つ1つを一気に処理するために大量のエネルギーを消費してしまいます。
これは無意識に起こっていることなので、自覚することは出来ません。
IQが下がった状態で練習をしても、気づかない内に習熟精度が落ちています。
なぜシャドーイングが効果的か?
その答えはこのマルチタスクを避けることにあります。
複数曲でもなくたった1曲の中ですら、ボーカル表現だけで様々な表現が盛り込まれているわけです。
それをいきなり複数観察し、
全部を汲み取っていくのは正直至難の技です。
だからこそ、
小分けにされた1部分から取り入れていくのが効率的なんですね。
まずは課題曲を納得がいくまで取り組んでから、別の曲に移行しましょう。
そうすることによって、
よりスムーズにスキルの習得が早くなります。
この練習のときに意識するのが、お手本のボーカルの「演技」に深く注目することです。
「些細な表現だって逃さず盗んでやる!」
そんな気持ちでわずか数秒のパートを真似して歌ってください。
最初はただのモノマネでやります。
再現することだけに集中してください。
「いや、私は自分のオリジナルな個性を追求する…!」
という考えは必要ありません。
どんなすごい人、天才と思われる人も、全ては誰かのマネからその状態に到達しています。
素晴らしいスキルや才能というのは、お手本を自分の引き出しへ上手に取り入れてきた結果でしかありません。
数学で習う公式や、英語の文法を教科書や先生から教わることなく自分で発明するなんて不可能ですよね?
しかしなぜか芸術ではそれが可能だと思う人がたくさんいます。
音楽や絵やその他全てのジャンルでもこれは同じです。
全ては人間という同じ遺伝子で作られた、同じ生き物が表現することだからです。
例外なんてありません。
だから、
まずはお手本となるボーカリストのモノマネから挑戦してください!
以上の手順を繰り返すだけで、今までになかった自信は勝手に身につきます。
逆を言えば、
自信がないということはそういった経験がまだ足りてないだけ!…ということです。
もしもお手本になるボーカリストが見つからない…という場合は、以下の記事で師匠を探し出す方法を徹底的に書いています。
ぜひ、
参考にして素晴らしいお手本を見つけてみてくださいね!
次に、
「10回シャドーイング」が終わったら、シメとして通しで1曲まるごと歌って下さい。
そのときに、
シャドーイングでやったパートがどれだけいい感じに表現出来ているか、自分で自分をよく観察してくださいね。
この時点では他のパートは全然練習していないので、あまりいい感じに歌えないかもしれません。
でもどうですか?
シャドーイングを続けたパートだけはかなり自信がついてきたはず。
もし納得がいったなら、
更に同じ曲の別の短いパートをシャドーイングしましょう。
こうやって曲の全体像を完全に掴んでいくのがコツです。
いきなり全体を知ろうとしてはいけません。
一気に沢山の曲をマスターしたい気持ちはよぉっく分かりますが、その焦りは逆に遠回りすることになります。
今回の練習方法は曲の因数分解みたいなものです。
1曲まるごとでは見えなかったことが、バラバラのパーツのように分解することで、重要な部分を隠していた「盲点」を取り除くことが出来ます。
これは単純に歌唱力上達だけではなく、歌を聴く耳を爆発的に強化させることにも繋がります。
要するに細かく見れることで、曲の観察力がグッと増すのです!
こうなれば強いですよ。
色んな上手い人からアイデアやスキルをコッソリ引っ張り出して、自分の引き出しにしまっていくことが可能になります。
今回のまとめ

この記事では、
まだボーカル初心者で練習のコツや自信の付け方が分からない人向けに、最初の突破口になる方法としてシャドーイングをご紹介しました。
要約するとこうです。
- 課題曲の中から、見せ場となる「ここだ!」という数秒間のパートを選ぶ。
- そこを1日10回、3日繰り返して練習する。
- 通しで歌ってみて、シャドーイングしたパートの再現率を確認する。
ぶっちゃけ練習としてはかなり地味ですし、あんまり達成感はないかもしれません。
しかし、
こういったチマチマとした積み重ねがあなたを助けます。
汗をダラダラ流して何十曲も歌いきったぞー!という無計画な練習はいかにも努力した感じがして達成感も強いですが、身につくものは多くないです。
カラオケに何十回通っても上手くならない人との差は、こういった工夫にあります。
ぜひ、
挑戦してみてください!
未来のあなたの歌声が、
誰かを深く感動させることを願っています!!
周平でした!
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私は最近まで高校の軽音部でベースとして活動していたのですが、色々あってボーカルになってしまいました。
みんなからは「上手いから大丈夫!」と言われるのですが、自分の歌に自信を持てません。周平さんの練習方法や、歌うときのコツ等あれば教えいただきたいです!